Russell, CEPL, §8 (chap.2)
§8
- 命題…一つの主語が一つの述語を帰属させる〔同一律〕
- 主語…述語を含む
- 述語…主語を定義する
「実在する」は、実在する諸主語の観念に含まれない〔とりあえずは〕
∴ 実在が主張されない限り、主語と述語の真理性の判断は分析的である
- 必然的な諸命題は分析的である
- 偶有的な諸命題は総合的である(偶有的 ≒ 実在的)
個体的実体(他の諸主語の述語にされえない主語)
- 可能性と連関して、実在と時間への参照を折り含む
- 異なる時間における諸状態を表現する偶有的・具体的諸述語をもつ
ある時間のある述語によって主語が定義されるとき、その主語は他の述語なしに存在するように思われるが、実際には、そうした主語は、そのとき主語を定義している述語と無限に連結する諸述語のすべてを含む(充足理由律)
- この連結…必然的であるわけではなく、その都度傾向をもっている〔ライプニッツが「確実性」と呼ぶもの〕
〈時間への参照を折り含む観念〉の主語は、「固執」(persistence)の理念(わたしは以前と同じ人物である)によって要求される
∴ 時間の異なる部分のなかに実在する諸属性が、内的経験や先天的な理由として、同じ主語の属性として想念され、主語の観念に含まれなければならない
おのおのの魂
- 一つの隔たった世界
- 時間が運んでくる諸状態(外からの作用なしにその観念に続く)を持っている(活動という原理)
∴ 完璧に同じである二つの実体はありえない〔不可識別者同一の原理〕