Russell, CEPL, §7 (chap.2)
第2章 必然的な諸命題と矛盾の法則
§7
ライプニッツ哲学は命題の分析から始まっている。『形而上学叙説』が書かれた1686年1月には、彼のシステムは完成しており、その後大きな修正はない。
1686年頃の重要な論述(第2-5章)
- 明示的にはアルノーにあてた文章と、Specimen Inventorum de Admirandis naturae generalis arcanis(GP, VII:309-318)にしか出てこない
- 「命題の一般的本性」から派生させられ、実体の複数性が認められるなら、それだけで、そのシステムの残りの部分を設立する
- ライプニッツが諸実体は相互作用しないとしていることを説明する
- 抽象的であり、「あなた〔アルノー〕はそうではないが」、ひとから容易に理解されえない、とライプニッツは述べている
- あらゆる可能世界について真である命題(ライプニッツ哲学の必然的な部分)の全体を産出する
現働的な世界について叙述する命題を得るための前提(第6章以降)
- 「知覚が外的な世界の知識を与え、そこから空間と物質と諸実体の複数性が引き続く」
- 常識と同程度の基盤である
実体が意味するものは、論理的には、諸実体の複数性や知覚の議論に先立つ。